Memorial Clover Chapter8



気温がだいぶ上がり、いよいよ日差しが眩しくなってきた。
梅雨は完全に明けたのか、今となってはあの連日の雨が嘘の様に晴れ渡っている。
この時期、ガーデンの全生徒がある事で浮き立っていた。

「なー?マクロはこの夏休み予定何かあるのか?」


魔数式の授業が終わった休み時間にニョロは僕にそう言ってきた。
ガーデンは7月〜8月末日までが夏休みで、この間は実家に帰省が許可されるシステムらしい。
中には家に帰らず寮に残ってる人もいるけど、大抵みんな実家に戻るみたいだ。


「夏休みねぇ・・・んー特に考えてないや。」


教科書をカバンに仕舞いながら僕はありきたりともいえる答えを返した。
家には戻るけど何をするって事は決めてなかったりするんだよね。


「どうせお前の事だから家でゴロゴロマンガとか読んでるんだろ?」


・・・ニョロの言った事が図星だったので僕は何も言わず顔をそらした。
いいじゃん。どうせ夏休みなんてどう使おうと僕の勝手だし。


「俺に良いアイディアがあるんだよ。あのな、ちょっと耳貸せ。」


ゴニョゴニョと、ニョロが耳元でそのアイディアを話してくる。
話す度に息がかかってちょっとくすぐったい。


「夏休みに、俺らでキャンプにでも行こうと思うんだ。
 あ、俺らって言うのはお前とスカイとミーナ、後はエフィとミルとファイでどうだ?」


ニョロは一気に話すと、僕に同意を求める合図を送ってきた。


「キャンプね、悪くないとおもうよ。ただそんなに人数居ると色々大変じゃない?」


キャンプみたいなイベントはみんなでワイワイやるのが一番楽しいのは重々承知している。
ただ子どもだけで行くとなると話は別。
どうしても最低一人は保護者を付けなきゃならない。


「そうそれなんだ。と言う訳でここからお願い。お前の親父さん確か夏休みあったよな?
もしよければ俺達の監視役って事で来てくれる様に頼めないか?」


なるほど。そーいう事なのね。
確かに父さんなら自由に夏休み位は取る事が出来たはず。
あ、僕の父さんはここじゃないガーデンで講師として教鞭を取っているんだ。
講師だから授業が無い日は大抵お休みだしね。
思わず僕は一人で納得した。


「うん。父さんもアウトドア系は好きだし得意だから多分賛成してくれるよ。
 ただ夏休みって言っても仕事あったりするから無理強いは出来ないよ?」


事実、去年の夏休みは塾の夏期講習とやらで1週間程家を空けてた事もあったしね。
それでもニョロはOKとの事なので、とりあえず父さんに手紙を出す事にした。


「んじゃOKが取れ次第俺に連絡してくれ。今から計画だけ他の奴らに知らせてくるから。」


用件だけ言うと、ニョロはあっという間に教室から出ていってしまった。
相変わらず行動に移るのが早いなぁ。
ん?でもまだ次も授業あるのに大丈夫なのかな?


「ねね?ニョロ君と何話してたの?」


ヒョコっと、脇からミーナが声をかけてきた。
僕は驚いてそのまま1m程ミーナから飛び退いてしまった。


「あービックリした。んとね、夏休みにみんなでキャンプに行こうって話。」


今まで話した内容を、僕はミーナになるべくわかりやすく説明する。
しかしねぇ・・・ニョロもちゃんと教室見てから出ていった方がよかったんじゃないかな?


「う〜ん、夏休みは予定は無いかな?多分大丈夫だから参加の方向でよろしくね。」


どうやらミーナの方もOKらしい。
後はニョロがスカイとかミルとかに連絡入れてくれるからいっか。
一通り説明を終えて時計を見るともう次の授業が始まる5分前。


「あっ!次って現代社会学!まいったなぁ・・・宿題終わってないや。」


実は昨日現社でちょっとした宿題があったんだけど、うたた寝して終わらなかったんだ。
結局5分じゃどうする事も出来なく、忘れた罰として更に多く宿題を出されてしまった。




〜放課後〜

「それじゃこれが今度の授業までの宿題だ。次忘れたら成績に響かせるぞ?」


現社のルーファ先生に宿題と軽いお説教をいただいて、僕は寮に戻った。
まぁこの程度で済んだからまだマシな方かも。
噂ではガーデンの歴史っていう100ページ以上もある本の暗唱とかって宿題もあったとか無かったとか。


でもそこまでとは言わないけど困ったなぁ・・・。
実は僕ちょっと現社が苦手なんだよね。
何か用語が多くてそれを整理できないって言うか、覚えられないって言うか。


「はぁ・・・身近に現社得意な友達っていたっけかなぁ。」


ニョロとかスカイとかに頼むのが一番手っ取り早いんだけど・・・絶対手伝ってくれなさそうだし。
ミーナも確か現社苦手とかって言ってたし。
全く。僕にどーしろって言うんだ。
そんなこんなで色々考えて歩いていると、正面からやって来た誰かにぶつかってしまった。


「痛たた・・・ゴメンナサイ。大丈夫ですか?」


慌てて僕はぶつかった人の方を見た。


「こっちこそ、よく前を見ないで歩いてたから。」


ぶつかった人も同じ様に僕の方も見てくる。
そして僕は思わずあっ!と声を上げてしまった。


「エフィ?」
「あ・・・マクロ君・・・?」


僕とエフィはしばらくお互いに見つめあった。
と言うか何かエフィが意外な物を見たって目つきしてたからそれが気になっただけなんだけどね。


「えっと、僕の顔に何かついてるの?エフィ?」


あんまりにもジーッと見られたから、僕はとりあえずそう言ってみる。


「そ、そんな事ないよ!うん。何もついてない・・・。」


そうしてエフィは僕から視線を外し、下を向いてしまった。
またいつもの様に顔が危ない位真っ赤になってる。


「そう。ならいいんだけど・・・ってあっ!」


エフィの顔を見て思わずそう叫んでしまった。
エフィはちょっとビックリしちゃったけみたいだけど。


「エフィって確か現代社会学が得意だったよね?
 よかったらなんだけど、宿題教えてくれないかな?」


そう、確かエフィはこないだの期末テストの現社で97点ぐらいだったはず。
こんな近くにいたのを見落としてた僕も僕だなぁ。


「えっと、その・・・あの。」


エフィはかなり動揺して、言葉が上手く出てこないみたい。
でも、なんでエフィは僕に対してだけこんなになっちゃうんだろう。


「うん、いいけど・・・一つ条件つけても・・・いいかな?」


やっとの事でエフィは口を開き、僕にそう言ってきた。


「オッケー。わかった。それでその条件って言うのは?」
「あっ・・・それは後で。今ここで話せないから。」


そう言ってまたエフィは下を向いてしまった。
まぁ僕としては、宿題片づくなら別にかまいはしないんだけど。
でもなんで今ここじゃダメなんだろう?


「それじゃもう少ししたら僕の部屋に来て。多分そんなに時間はかからないと思うから。」


エフィにそれだけ言うと、僕は自分の部屋に向けて再び歩き出した。



〜自室〜

・・・エフィのおかげで出された宿題をほとんど終える事が出来た。
かかった時間は大体2時間程度。
エフィに言わせれば、この程度なら30分もあれば終わるらしいんだけど・・・。
僕の要領がよくなかったせいか時間がかかっちゃったみたい。


「ふーっ。流石エフィ。あっという間に終わっちゃったね。」


同じ体勢で痺れきった体と腕を伸ばしながら、僕は立ち上がった。
いくら早く終わったとはいえ、2時間ずーっと座りっぱなしはちょっと辛かったね。


「そうでもないよ。ちゃんと要領ふまえてやればこの位誰でも出来るし。」


僕の方を見ずに、エフィは終わった宿題に目を通しながらそう言った。


「うぐ・・・。それはそうと、宿題引き受ける上で条件あるって言ったよね?」


確か廊下ではダメだって言ってた事。
さっきからそれが気になっていた。


「あ・・・うん。それじゃ・・・その。」


またエフィは何かためらっているみたい。
そして次に出た言葉に僕は固まってしまった。


「私と・・・セックスしてくれる?」


ミーナに告白された時より僕はもっと大きなショックを受けた。
だってエフィって男の子だよ・・・男の子同士でヤるって言うのはどうなんだろう。


「・・・えーっとそれって冗談?」


呆気にとられて、僕はそんな応答しか出来なかった。


「冗談じゃないよ・・・ホントに一度やってみたかったんだ。」


エフィの目は真剣そのもの。
宿題を手伝ってもらった手前突っぱねる事もしづらいし。
でも男の子同士でセックスって言うのも・・・。


「んと・・・まぁ約束は約束だからね。いいよ。」


散々悩んだ結果、僕は条件にOKを出した。
実際一回ぐらいヤるのも経験になるし、どんな感じなのかも分かるしね。


「それじゃあどこで・・・って?」


どこでやる。と言い終わらないうちにエフィは僕に自分の唇を重ねてきた。
突然の大胆な行動で僕の頭はあの時と同じ様に真っ白になる。
しかしエフィはすぐに唇を離してくれた。


「・・・続きはベットでお願いしてもいいかな?」


上目遣いで、エフィは僕に続きを要求してくる。
そんな顔されたらとてもじゃないけど断る事が出来ない。
正直な話、男の子と分かっていてもエフィは可愛かった。
女の子みたいな男の子ってエフィの事を言うんじゃないかな?


「じゃあ、早速。」


エフィはそう言いながら僕の上着を脱がし始める。
今日はちょっと暑いからTシャツとハーパンのラフな格好だったから多分脱がせやすいはずだ。
上半身を裸にした後、突然エフィが僕の耳の後ろをペロっと軽く舐めてきた。


「ひゃぅっ!」


いきなり敏感な所をやられた事で、僕はらしくない声を上げてしまった。


「マクロ君って・・・やっぱり可愛いんだね。
 スカイちゃんやミーナちゃんがお気に入りな理由もよくわかるよ。」


そう耳元で囁きながら、エフィは僕の胸に手を乗せる。
そしておもむろに少し力を入れて上下に揉み始めた。
女の子と違って胸はないけど、やっぱりその行為には恥ずかしさを感じてしまう。


「んぁ・・・はぅぅ・・。」
「やっぱり可愛い。所でマクロ君?この胸についてるポチポチは何かな?」


そう言ってエフィは、人差し指で僕の胸にある小さな突起をクリクリと触り始めた。


「きゃぅ!あ・や・・んっ。」


突然の快感で思わず体が仰け反った。
そんな僕をお構いなしに、エフィのは僕の敏感な所をこれでもかと言う位刺激してくる。


「ホントにマクロ君ってココ敏感なんだね、もう硬くなってきてる。
 この位弄んだら・・・そろそろ下もいいかな。」


そう言ってエフィは僕の胸から一旦手を離す。
胸の突起で快感を覚えていた僕は、突然行為をやめられた事で何となくもどかしさを感じてしまった。


「ふぁ・・・エフィ・・どうしたの・・・っ?」
「今のは余興。本番はこれから・・・だよ。」


すると突然。エフィは自分の服を脱ぎ始めた。
上着からズボン・・・そして下着も。
気づけばエフィは一糸纏わぬ姿で僕の横に座っていた。


「さ、マクロ君も。」


そう言いながらエフィは僕のズボンと下着を一気に下ろした。
今まで人に見せた事のない、僕の一番恥ずかしい所が丸見えになる。
やっぱりこうやっていきなりやられると、凄く恥ずかしい。


「あっ、マクロ君ってまだ剥けてなかったんだ・・・。」


僕のチンチンを見て、エフィはそう言った。
だって僕、最近までそう言うのよく分かんなかったし。
第一剥けてないと何か問題とかあるのかな?
そして僕のチンチンは、さっきの突起への攻撃のせいで硬くなっていた。


「ふふ、マクロ君もこんなになっちゃってる。攻められて興奮しちゃったのかな?」


そう言いながら、エフィは僕のチンチンを無造作に掴んできた。
軽い電気ショックが走った様に、体がビクッと跳ねる。


「ひゃぅっ!は・恥ずかしいよぉ・・・。」


そう言っている僕を後目に、エフィは僕のチンチンを上下に動かし始めた。
エフィの行為で、廉恥心が僕の中に沸き上がってくる。
それが更に快感の度合いを強めていった。


「わぁ、マクロ君もうこんなに濡れちゃってる・・・よっぽど気持ちいいんだ。」


気づけば僕のチンチンからはクチュクチュと先走りの汁の音が聞こえてきていた。
その音が、これ以上ない位の快感を更に高めていく。


「んぁっ!はぅ・・・んっ!きゃぅぅん・・・。」


もはや廉恥心などを考えている余裕なんてない。
今のこの状況を・・・僕はずっと感じていたかった。


「んっ?そろそろかも・・・。」


エフィの手の扱きが更に速度を上げる。
その度に、僕のチンチンはビクッビクッと反応していた。
既に限界が近いのを否応なく感じてしまう。


「んぁぁぁっ!も・もう出ちゃう・・・よ・・っ!」



ビュクッ!ドクッ!



出ちゃう、と言った時には既に遅かった。
僕のチンチンからは大量の精液が飛び出していく。


その矛先にはエフィの顔があった。
精液はエフィの顔を躊躇う事なく汚し、少ししてから収まった。
後に残ってるのはいつも感じる罪悪感と快感の余韻だけ。
しかも今回は今までの中で一番凄かったかもしれない。


「・・・いっぱい出したね。これでミーナちゃんやスカイちゃんより先越せた。」


顔に付いた僕の精液を舐めながら、エフィはそう言った。
こんな苦いのよく舐めたりできるよね。


「それじゃ・・・私も我慢の限界だから、出させてね。」


そう言ってエフィは自分の手をチンチンに持っていき、再び上下に動かし始めた。
僕のと同じ様に、すぐエフィのチンチンからは先走りの汁が出てきている。


「・・・もしかして僕の姿見て、興奮してるの?」


僕は思わず、思った事を口に出していた。
だって僕がイクまで結構時間かかったのにエフィはものの5分でイキそうになってるんだもん。
ちなみに今の僕の体勢は、エフィに向けて股を開いている状態だったりするんだけどね。


「それは当たり前だよ・・・だって、今日私は自分のはヤらないって決めてたのに・・・。
 マクロ君が・・・あんまりにも可愛すぎて。・・・抑えがきかない・・・っ。」


そう言っている間にエフィの手は更に扱く速度を上げていた。


「・・・んっ、もう・・出そうかも・・・。ゴメンね、マクロ君。」



ビュッ!ドッ!



そう言うと同時に、エフィのチンチンから大量の精液が飛び出す。
そして今度は、僕がエフィの精液をまともに浴びてしまった。
そしてそのまま、エフィは仰向けになって僕の横に倒れ込んできた。


「・・・何か精液かけられたら、体がおかしくなった気分だね。」


体に付いた精液を見て、僕はそう思った。
人によっては他人の精液が体に付着したりするとおかしくなるって言う話も聞いた事あるしね。


「マクロ君・・・今日はどうもありがとう。」


エフィはそう言いながら、また僕にキスしてきた。
今度はむさぼる様なキスではなく、感謝の軽いキス。
僕は何故か、それで少し嬉しくなった。


「・・・また今度お願いしてもいいかな?」


恐る恐る、エフィは僕に聞いてきた。
正直、一回だけって決めてたのはあるんだけど・・・。


「うん、いいよ。」


僕はOKの合図を出していた。
やっぱり今までで一番気持ちよかったのが大きいかな。
それにエフィなら、秘密とかちゃんと守ってくれそうだしね。


「さって、それじゃちょっとシャワー浴びようよ。いつまでも裸じゃ誰か来たらマズイしね。」


その後僕とエフィはシャワーを浴びて、エフィは自分の部屋へと戻っていった。
帰りがけエフィは、僕に面と向かってこう言った。


「一応私が手伝ったってバレない様にはしてるけど、余計な事言わない方がいいからね。」


確かに、ルーファ先生はその辺りかなり厳しいからね。
余計な事は極力いわないようにしないと。
一人なった後は特に何をするでもなく、ただ部屋でゴロゴロしていた。
さっきの出来事を想像しながら。




同姓との初めての経験は、なるべく話さない方がいいかもしれない。


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