〜Memorial Clover〜 Prologue

今から遠い昔。
この世界には「奇跡」と呼ばれる現象が力となっていた。


魔法:竜種が管理する奇跡


魔術:犬種が管理する奇跡


幻術:猫種が管理する奇跡


神秘:鳥種が管理する奇跡


この4つの「奇跡」が世界には存在していた。
これらの力は今の時代も働いている。
今の私たちが使う奇跡は、この力を模擬しているだけだ。
失われた奇跡は現代に蘇らない。
それは必然であり、当然のことだった。



・・・過去にこのバランスが崩れた事があった。
鳥種と竜種、犬種と猫種。
4つの種は2分化し、互いに滅ぼし合った。
戦いは両者に多大な犠牲を与えるだけだった。


それを止めたのが4種の始まりの祖と言われている者達だった。
犬種の「アスタリクス」猫種の「クレィル」
竜種の「ミスリル」鳥種の「ポリシア」。
彼らは争う4種をそれぞれなだめ、戦いを終結させた。
そして時は流れ・・・現代に。



その日、僕は部屋の片づけをしていた。
「よいしょっ・・・ふぅ。こんなもんかな?」
ドサッと床に段ボールを置く。
今日は僕がガーデンから卒業する日。
僕は部屋にある荷物の整理をしていた。


「魔術学、幻術学、神秘学、魔法学・・・。
 これらの教科書はもう使わないっと。」


使う物と使わない物をテキパキと僕は分け始める。
・・・意外と使わないの多いんだなぁ。
段ボールの中から料理の本やらCDプレイヤーなどがゴロゴロと出てきた。
「やれやれ・・・こんな所人には見せられないなぁ。っと、大体これでいいかな?」
そう言いながら再び段ボールに物を元に戻す。

その時、中にあった一冊の本がふと目に止まった。
「あれ?これ何だっけか?」
僕はその本を拾い、パラパラとめくってみる。
「あぁ、そっかそっか。ああやって考えると僕も随分成長したんだ。」
 あれはそう、僕が初めてここに来た時の事だったなぁ。その時は・・・確か」

 

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